施術で大切にしていること

柔らかい布がほどけるように広がる、施術で大切にしていることを表したアイキャッチ画像

今回は、たぐち神経整体院が「施術で大切にしていること」についてお話しします。

整体というと、多くの方は「痛みを取る場所」だと思うかもしれません。

腰が痛い。
股関節が痛い。
膝が痛い。
肩が痛い。

だから、その痛い場所を楽にしてほしい。

もちろん、痛みが楽になることは大切です。
痛みで困っている方にとって、痛みが軽くなることは、大きな安心になります。

けれど、私が施術で一番大切にしているのは、
その場で痛みを消すことだけではありません。

私が施術で一番起こしたい変化は、その人の力が抜けることです。

良い身体とは、力が抜けている身体

「力が抜ける」と聞くと、
だらんと脱力して、動けない身体を想像する方もいるかもしれません。

でも、私が言っている「力が抜ける」は、そういう意味ではありません。

本当に力が抜けている身体は、むしろ動きやすくなります。
軽い力で動けるようになります。
必要な時に、必要なところだけ力が入るようになります。

スポーツ選手を見ていても、上手い人ほど余計な力が抜けています。
ガチガチに固めている人より、力が抜けている人の方が、動きは機敏です。

リラックスとは、動けない状態ではありません。
余計な踏ん張りが抜けて、必要な動きがしやすくなる状態です。

私にとって良い身体の状態とは、
力が抜けて、軽い力で動ける身体です。

痛い場所だけを見ているわけではありません

施術では、痛い場所の緊張が緩むことを考えて組み立てます。

ただし、痛い場所だけを触ればいいとは考えていません。

身体には、緊張のつながりがあるからです。

たとえば、脚から首まで緊張がつながっているとします。
その場合、脚から首までの重さが、一つのまとまりのように身体へ乗ってきます。

その時、股関節で踏ん張る身体なら、股関節に負担が集まります。
腰で踏ん張る身体なら、腰に負担が集まります。

痛みが出ている場所は、その負担を受け止めている場所なのかもしれません。

だから私は、痛い場所だけを見るのではなく、
その痛い場所につながっている緊張を見ています。

そのつながりが残ったまま、痛い場所だけが一時的に楽になっても、
身体全体としては、まだ踏ん張ったままです。

むしろ、痛みが軽くなったことで、
頑張りすぎている場所がさらに頑張れる状態になり、
あとから痛みが強くなることもあります。

だから大切なのは、痛みがその場で消えたかどうかだけではありません。

身体全体として、前より力が抜けているか。
踏ん張りが減っているか。
重さが分散しやすくなっているか。

そこを大切にしています。

身体は、思っている以上に多くのことを表しています

身体を深く見ていくと、緊張は、単純な肉体的負担だけで起きているわけではありません。

仕事の疲れ。
生活習慣。
精神的な緊張。
薬の影響。
日常の環境。
本人が気づいていない不安や拒否感。

そういったものも、身体には現れます。

顔色、呼吸、力の入り方、触れた時の反応、動かした時の抵抗感。
身体は、いろいろな形で今の状態を表しています。

私は施術中、ただ筋肉が硬いか柔らかいかだけを見ているわけではありません。

その人が今、受け取れる状態にあるのか。
強く防御しているのか。
刺激を拒否しているのか。
どこなら、身体が反応できるのか。

そういうことも含めて見ています。

たとえば、強い防御状態の人は、話を受け取れる状態ではないことがあります。
身体でも、全身に力が入り、刺激から守ろうとします。

本来そこまで痛がる場所ではなくても、
少しの刺激で、極端に痛がることもあります。

そういう時に、無理に身体を変えようとしても、うまくいきません。

防御している身体を、力でこじ開けようとすると、さらに防御が強くなるだけです。

防御を固められない場所を探す

防御が強い人に対して、私がまず探すのは、
防御を固められない場所です。

人には、意識して力を入れやすい場所と、入れにくい場所があります。

たとえば、「肩に力を入れてください」と言われたら、多くの人は力を入れられます。
でも、「後頭部に力を入れてください」と言われると、意外と難しいと思います。

そういう場所は、防御が入りにくいのです。

ただし、防御が少ない場所なら、どこでもいいわけではありません。

大切なのは、
緊張のつながりの中にあって、防御に邪魔されにくい場所を探すことです。

強く固めている場所を、直接どうにかしようとするのではありません。
その緊張のつながりの中で、身体がまだ反応できる入口を探します。

それでも難しい時は、呼吸に意識を向けてもらうこともあります。

「息を吸ってください」
「触れているところが温かいのは、分かりますか?」

そうやって、まず自分の身体の感覚に気づいてもらう。

身体が外からの刺激を受け入れる前に、
自分の感覚に戻れる状態を作ることが、必要な時もあります。

緊張のつながりをほどく感覚

緊張のつながりを捉えるのは、とても難しいことです。

触れた時の張り。
動かした時の抵抗感。
重さの乗り方。
身体がまとまって動いてしまう感じ。

いろいろな反応を見ています。

ただ、これは簡単に言葉で説明できるものではありません。
相当に繊細な反応です。

少しのノイズ。
集中の緩み。
自分自身の緊張。

そういったものがあるだけで、身体の反応は拾えなくなります。

イメージとして近いのは、タオルです。

柔らかいタオルの端を軽く引っ張ると、
タオルは、端から順番にゆっくり動いていきます。

でも、糊(のり)で固められたタオルだったら、どうでしょうか。

固まった部分は、引っかかります。
そこだけ重くなります。
本来なら一つ一つ動くはずの繊維が、固まりとして動いてしまいます。

身体にも、これに近いことが起こります。

軽い力で身体を動かした時、
本来なら、組織の一つ一つがゆっくり動くはずです。

でも緊張が強いと、身体は細かく動かず、
固まりのように、重く動きます。

その固まりを、力で壊すのではありません。

もっと繊細に、固まりをほどくように圧をかけていきます。
糊で固まったタオルが、少しずつ崩れていくような感覚です。

そして、固まりがほどけた瞬間、
身体の重さが抜けます。

力が、ふっと抜けます。

変化に気づかない人も、多くいます

この変化は、繊細な人なら本人も気づきます。

「軽くなった」
「動かしやすい」
「呼吸がしやすい」

そう感じる方もいます。

でも、実際には、気づかない人の方が多いのです。

本人が気づいていなくても、施術者側から見ると、変化ははっきり出ています。

重さが軽くなる。
軽い力で動くようになる。
抵抗が減る。
身体がまとまりではなく、少しずつ動き始める。

その時、私は確認します。

「軽い力で動くようになったの、分かりますか?」

すると、相手も気づかれます。
実際に、軽い力で動いているからです。

でも、本人は何が起きたのか分かっていないことも多く、
不思議そうな顔をされることもあります。

それでも構いません。

施術で起きている変化は、
必ずしも本人がすぐに言葉で理解できるものばかりではないからです。

痛みとして分かる前に、
身体の重さ、動き方、抵抗感が変わっていることがあります。

私は、その変化を大切にしています。

痛みが取れたかどうかだけで、判断しない

施術後に、痛みが楽になることはあります。
その場で動きやすくなることもあります。

でも、私は痛みが取れたかどうかだけで、施術を判断していません。

身体が、前よりリラックスできているか。
余計な踏ん張りが、減っているか。
軽い力で、動けるようになっているか。

痛みは、大切なサインです。
けれど、痛みだけを追いかけると、身体全体を見失うことがあります。

痛い場所だけを楽にするのではなく、
その痛みを生み出している、身体全体の緊張を見ていく。

そして、その人の身体が、前より自然に動ける状態を作る。

それが、私が施術で大切にしていることです。

施術は、身体を変えるだけではありません

身体の緊張が緩むと、ただ痛みが楽になるだけではありません。

自分の身体に気づき始める人がいます。
今まで無理をしていたことに、気づく人がいます。
自分の生活や考え方を、見直す人もいます。

私は、そこに変化の本質があると思っています。

身体は、とても素直です。

その人がどう生きてきたのか。
何を我慢してきたのか。
どこで踏ん張ってきたのか。
何を受け取れずにいるのか。

そういったものが、身体に現れることがあります。

だから施術は、単に痛みを取る作業ではありません。
身体を通して、自分に気づくきっかけにもなります。

もちろん、すべての人がすぐに深く気づくわけではありません。
ただ楽になりたい、痛みを取りたい、という気持ちで来られる方も多いです。

それでいいと思います。

でも、施術を通して、少しでも自分の身体に意識が向くようになる。
痛みを、ただの邪魔者ではなく、身体からの知らせとして受け取れるようになる。
自分の身体を、前より信じられるようになる。

そういう変化が起きた時、身体は変わりやすくなります。

私が目指している施術

私が目指しているのは、力で身体を変える施術ではありません。

強く押す。
無理に動かす。
痛い場所を、どうにかする。

そういう施術ではなく、
身体が防御をゆるめ、自然に変わり始める状態を作ることです。

そのために、私は身体の反応を細かく見ます。

どこに緊張のつながりがあるのか。
どこで重さが止まっているのか。
どこなら防御に邪魔されずに反応できるのか。
どこがほどけると、全体の力が抜けるのか。

その反応を見ながら、施術を組み立てています。

その人の力が抜けること。
余計な踏ん張りが減ること。
軽い力で、身体が動くようになること。
自分の身体に、気づけるようになること。

そして、前より自然に生きられる身体に近づくこと。

もし、痛みを感じないことだけではなく、
身体そのものを見直したいと思われた方は、一度ご相談ください。

あなたの身体が、どこで踏ん張り、どこで力を抜けなくなっているのか。
一緒に、見ていきます。

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